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AKAI VX90

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VX90は、赤井電機が1986年(たぶん)に発売した、アナログ6ボイスポリフォニックのシンセサイザーモジュール。ボイスごとに1オシレータ、1フィルター、1アンプ、2エンベロープジェネレーターを持つ。LFO(Low Frequency Oscillator)はボイス共通で1個だと思われる。ボイスモードはポリ、デュアル、ユニゾンがあり、ユニゾンデチューンの設定も可能。ポルタメントもあるが、その場合はモノになるし、フィンガードポルタメントだし、さらにキーアサイナーの動作が独特で(1音を押さえた状態で他の音を弾いてトリルにすることができない)、弾きやすいとは言えない。

オシレータの波形は鋸歯状波、パルス、三角波、三角波+鋸歯状波の4つから選べる。「VCOaPW」というパラメータと「VCOaPWMS」というパラメータがあり、後者はパルス幅変調のスピードを設定する(LFOとは独立している)。この2個のパラメータで波形を変化させられるが、どうも謎が多い。パルスじゃなくても変調できるし…。ノイズジェネレータ(ピンクノイズ)もある。外部入力を混ぜることもできるが、サンプラーと接続するための特殊な端子なので試せていない。オシレータにEGをかけることも可能だが、デプスがゼロ~100なのでピッチを合わせるのが難しく、グライドを簡単にかけられるとは言えない。

cc#1(モジュレーション)、cc#7(ボリューム)に反応する。ただし、エディット中にcc#7を変えても反応しない。モジュレーションホイールでかけるビブラートはなめらか。ディレイビブラートの設定も可能。音色のエディットも、意外とやりやすい。10キーでパラメータを選択できること、値を入力するのにスライダーとボタンの両方があること、などが奏功している。ローランドのJupiterやJunoのような完成度の高さはないが、別の味を楽しめるアナログポリシンセの逸品。ディレイやリバーブを接続してお楽しみください。

参考リンク

サウンド

VX90はカセットテープインタフェースを持ち、そこからファクトリー音色をロードできるのかもしれない。ただ、試したことはない。うちのVX90に入っていた音色(前の持ち主が編集したものもあるかも)で気に入ったもの、自分で作った音色、合計60音色を以下に紹介する。エフェクトは、ローランドのSDE-330/SRV-330を適宜使用している。

サウンドコメント
SAW1
鋸歯状波(saw)を普通に出しただけでブラスっぽく聞こえるのが、このシンセの特徴だと思う。ビブラートのかかりもよい。ただ、アフタータッチに対応していないので、ホイールでかけるか、ディレイでかけるかである。通常はホイールにしているのだが、この録音では両手で弾きたかったのでディレイビブラートにしている。
SAWSTRINGS
VX90は1オシレータ構成なので、オシレータでチューンはできない。と言いたいところだが必ずしもそうではなくて、デュアルモードにするとチューンをかけられる。ただ、デュアルにすると3音ポリになるので、ストリングスっぽく弾くには足りない。ここではディレイとリバーブを深めにしている。コーラスかけると違うかもしれないが、SDE-330/SRV-330のコーラスはまた使いこなせていない。
SAW2
SAW1に比べ、アタックを遅めにしてソフトリードっぽくしたもの。
SQUARE1
鋸歯状波を方形波に変更したもの。
TRIANGLE1
三角波もある。ここではピアノっぽく弾いてみた。
PORTAMENTO1
ポルタメントかけられるんだろうか、と実験した音。かけられないことはない、というのが結論。ポルタメントをオンにするとモノになる。フィンガードなので音を切って弾くとかからない。モノシンセでよくやる、1音を押さえたまま他の鍵盤をたたいてトリルにするというのはできず、それをやると音が出ないままになって慌てる。他のシンセではあまり例がないような奇妙な動作である。
PWMSTR1
パルス幅変調ができる。私がそれをうまく設定できているかどうかはともかくとして。
ELECTRICITY
自分で作ったわけではないえぐい感じの音だが、録音にはうまく反映されていないかも。VX90はレゾナンスがけっこう過激で、使い方が難しい。
STEEL DRUM 1
本物に似ているかというとそうでもないと思うが、すてきな音。
PROFIT $
プロフェット風味とは言えないと思う。だからもじったんだろうか。
PIANO-1
FM/PCM音源が登場する前の電子ピアノって、こういう音してたっけ。エレクトーンのピアノ音色もこんな感じだった。VX90はベロシティにけっこうよく反応するのだが、ベロシティが不要な音では切らないと無用にレベルが下がる。
SYN PIANO A
倍音が抑えられていて、しっとりした感じ。
ELEC PIANO
エレクトリックピアノだろうか、エレクトロニックピアノだろうか。何をモデルにしたんだろう? RMIか?
SYN PIANO
懐かしい…。と思うのは、私が若くないからだな。
TOY PIANO
うちにあるトイピアノはこんな音ではないような気がする。でも好き。
ROCKY ROAD
どこまでもまっすぐ続く道、でいいんだろうか。サンフランシスコからローレンスまでバス旅をした時に見たような。
CELLO 1
PCM音源やサンプラーの方が実物に似ているが、アナログシンセの音も悪くない。
STRINGS-3
ボリュームペダルの使い方がへたっぴ。もともと、VX90のcc#7への反応は、ちょっとジャギーがある。
STRGS+HORN
ストリングスとホーンをレイヤーした音、ではない。当然だが。
STRINGS-1H
いい。アナログシンセ、ばかにできない。ビブラートがきれいなのがいいんだろう。
ORCHESTRA
モジュレーションホイールに手をやる余裕がなく、ビブラートをかけられなかった。ディレイでかければいいんだよな。
HEAVEN
天国って、どんなところでしょうかね。
FRENCH HORN
私は高校の吹奏楽部ではフレンチホルンに転向し、大学時代もそうだった。The University of KansasのUniversity Bandでは2番ホルンだった。1988年Spring semesterでの話。James Barnes御大。今はどうしていらっしゃるのだろうか。
SYN BRASS 2
軽めで素敵。
HORNS-3
重めで素敵。
HOPEFULL
あまり感心しない望みを抱いているような音になってしまった。
SYN CLAV 1
クラビの音は苦手。うまく弾けなくて恥ずかしい。
PHASER
ノイズが混ざってるのかな。ベンドしたらオクターブ下まで下がったようだ。
CHAMBER 1
室内楽イメージ。と言っても、よくわからないよね。
CHAMBER 2
うろ覚えなので何度も間違えてやり直した。
HARMONIUM
いいですなぁ。
DEPATCH MODE
某バンドの名前をもじった音色名なんだろうけど、そのバンドの音を知らない。
MR BASS
ベースも悪くない。VX90って、ちょっと、モーグっぽいかも。ただ、昔のアナログポリシンセはノイズが多いので、そこをどうするかだな。
MICRO BASS
いい感じのシンセベースではないでしょうか。
MINI BASS
モノシンセに比べるときれいではないけど。デュアルやユニゾンにしてみても面白いかも。
PIT BASS
8分音符をうまく弾けないのは、私に問題がある。
BASS
モーグっぽい。捨てがたいぜ。
SCREAMER
ビブラートがきれい。レゾナンスを上げた時の感じは、モーグっぽくないような。
LEAD 2
三角波を使ったリード。フィルターのFMもかかっているけれど、レゾナンスで音が歪ませて倍音を作っているように思う。不思議なフィルターである。
VIBE HARP
何をしたい音なのか、意図がわからない。でも、悪い音ではない。
MALLET
SRV-330のデモになってしまったかも。
CELESTE
アタックがけっこう速いんだね。
MUSIC BOX
チューニングが狂ってくるのは、LFOでもかかっているのであろうか。未確認。
TRI FLUTE
ビブラートの美しさが印象的。
RECORDER
ディレイしてフィルターにLFOをかけている。きれいなグロウルだ。
ORGAN 1
1オシレータでサブオシレータもないので、オルガンは苦手かなあ。
ORGAN 2
ディストーションかけると違うかもしれない。
PICCOLO
フィルターの動きか何かにジャギーを感じるけど、それを差し引いても、悪くないピッコロ。
WHISTLE
ノイジーなアナログリードにプレート(鉄板)リバーブ。冨田勲を思い出す。
WOOD WINDS
木管ぽいとは思わない。では何かと言われると困るのだが。
AHS MALE
今回見付けた唯一の人声。よくできているかというとうーむ、であるが、アナログシンセでは作りにくい音だよね。
CLAVITAR
クラビとギターを合わせたんだろうけど、モジュレーションホイールがアサインされてないようで、あれ?であった。あと、持続音なんだよねー。VX90は1オシレータ1フィルター1アンプだが、エンベロープジェネレータが、フィルター用とアンプ用の2つあり、どちらもADSRタイプである。フィルターでディケイを作り、音量はサスティンさせる、ということが可能なわけだ。EGが2個あるのは良い。
CLASSIC
クラシックギターだろう。ただ、これもモジュレーションホイールでビブラートがかかるようにはなっていない。ギターはビブラートがあってナンボだと思うのだが。ピアノにはできないことだから。
TRUMPET
VX90は金管楽器っぽい音がする。他のシンセでは、最初に買ったKORG 800DVがそうだった。それは壊れて捨てて、買い直したものは、それほど管楽器っぽくなかったりする。
OBI KHANOBE
何を弾くべきかノーアイデアであった。スターウォーズのオビワン・ケノービ老師からとった音色名だろうか。
WOODSYNTH
木管じゃないよね。木をたたいた音でもない。木製のきょう体を持ったシンセサイザーのイメージかな?
SAMPL+HOLD
VX90のLFOの波形は下り鋸歯状波、上り鋸歯状波、三角波、方形波、ランダムから選べる。これはランダム。ポリフォニックで弾いても一斉に動いているようなので、おそらく、LFOは1個しかないのだろう。まあ、複数の回路実装するのもお金かかるからね。
INDUSTRIAL
インダストリアルというとガシャコンという音のビートを連想するが、これはどうなんだろうか。頭が痛くなるような音を出してみた。
SPACE
VX90は、ポリシンセにしてはきつい音が出る。なかなか見どころがある。
SAWPORTA1
一つ追加で作った音。ユニゾンにしてポルタメントを15、デチューンを7に設定している。ディレイをかけるといい感じ。
SAWBRASS1 thru KORG SE-300
コルグのテープエコー+スプリングリバーブである「SE-300」の実験をした時の録音。今回使っているのはテープエコーだけ。ボタンやつまみにガリがあったりして、歪みっぽくてノイジーだが、深めにしているので、テープエコーらしい音だと思う。
VX90 SQUARE1 + MONTAGE BLOCKh
VX90のパルス波リードと、MONTAGEのFM音源によるウッドブロック風の音をレイヤーしたもの。レイヤーで音を作るのは苦手だが、これから少しずつ練習していきたい。ここでもVX90をSE-300に通している。

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