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KORG Collection M1

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「KORG Collection M1」はコルグのソフトウエア・シンセサイザーの一つだ。その元となった「M1」は1988年に発売された61鍵のシンセサイザーで、マルチティンバーのPCM音源、リバーブを始めとするエフェクター、シーケンサーを内蔵していた。M1は、ほぼ初のアコースティックピアノの音が出るシンセサイザーとして大変な人気を博した。シーケンサーを除くM1の機能をソフトウエア化したM1は、2004年発売の「KORG Legacy Collection」の初期版には入っていなかったが、2005年の「KORG Legacy Collection Digital Edition」に搭載された。KORG Legacy Collectionは2017年に「KORG Collection」に改名、2020年には「KORG Collection 2」にバージョンアップした。

上の図では、上がKORG Collectionに含まれていたM1バージョン1.8.0、下がKORG Collection 2に含まれているM1バージョン1.8.4である。バージョンアップに伴い、画面サイズを6段階に設定できるようになった。上の図中の1.8.4は画面サイズの設定を下から3番目の「Medium」にしている。4Kディスプレイが入手可能になった現在のニーズにマッチした変更がなされたと言える。

KORG Collection M1には多くの音色が搭載されている。下の図は、「PROG」をクリックしてプログラムモードにし、「BROWSER」をクリックして音色ブラウザーを表示させ、「CARD」をクリックしてM1用カードを選び、「CARD1」の「M01 00 Universe」を選んだ様子だ。

M1用音色カードとしては、「CARD1」から「CARD21」を選べる。M1用の音色カード(波形を含むものもある)をすべて揃えるのは今となっては難しいので、KORG Collection M1の恩恵は大きい。KLC(Korg Legacy Collection)をクリックするとソフトウエアのM1用に作られた音色を選べる。「USER 1」から「USER 4」ではユーザー音色を格納できる。M1のシステム・エクスクルーシブ・ファイルを読み込むことも可能である。「T1 CARD」をクリックすると、M1の機能拡張版Tシリーズに向けてリリースされたフロッピー・ディスク11種から音色データを読み込める。

KORG Collection M1の大きな利点の一つは、同時発音数が多いことだ。M1とTシリーズの最大同時発音数は16音で、オシレーター2個を使うだけで8音になってしまった。複数のプログラムを組み合わせたコンビネーションを使う場合、音切れが大きな問題だった。KORG Collection M1では、標準設定が128音で、256音まで増やせる。

ただし、パソコンの処理能力が十分でない状態で多くの音を弾くと、処理が追い付かず雑音が生じる場合がある。その際は、最大同時発音数の設定を下げるとよいだろう。同時発音数の拡張のほか、フィルターにレゾナンスが追加されたことも、KORG Collection M1の音作りの幅を広げている。

KORG Collection M1は、私のお気に入りのソフトシンセである。音色のカバー範囲がとても広いし、一つひとつの音色が時間をかけて作られている。音色データの作成と販売が良いビジネスであった時代の産物だろう。

KORG Collection M1の音色をオーディションする際は、アフタータッチ付きの鍵盤を用意するとよいだろう。M1とTシリーズの鍵盤はすべからくアフタータッチ付きで、音色がそれを想定していることがあるからだ。また、ジョイスティックY+に相当するコントロールチェンジ1番(cc#1)と、ジョイスティックY-に相当するコントロールチェンジ2番(cc#2)を送れることが望ましい。そこに何らかのシカケが入っているかもしれないからだ。

参考リンク

サウンド

サウンドコメント
M01 00 Universe
M1のプリセット1番。ヤマハMONTAGEのシーケンサーに、クォンタイズ8分で入力し、テンポを少し上げた。オーバーダブで低音と高音を追加。エフェクトとして、Eventide Eclipseの「Diffchorus」を追加。コルグの動く音はM1にもあったのだなあ、と感じ入る。この音色は下の「ソング」にある「輝く太陽」でも使っている。
M02 01 Piano2 16'

M1の初期版には「Piano」があり、TシリーズとM1EXには「Piano2」が追加された。前者のPianoがキンキンした金属的なものであったのに対し、後者のPiano2は木の響きがある。有名な「M1ピアノ」は前者のPianoであるのだが、1989年にT2を買った私はPiano2の方を気に入っていた。店頭で弾いたSY77のピアノよりこちらが好きだなぁ、と思った記憶がある。まあその後で結局TG77を買ったのだけれど。この演奏は、MONTAGEのシーケンサーにメトロノームなしで録音し無修正。ひどく転んでいるが、愛嬌ととっていただければ助かる。

KORG M1REX Piano2 16'

上の録音はKORG Collection M1で行ったものであるが、同じ音色と同じ演奏データで、ハードウエアのM1REXを鳴らしてみたのがこちらだ。予想よりも差が大きかった。M1REXの音はほどよくコロコロとしているが、KORG Collection M1の方は妙に華々しく、リバーブがうるさい。そう感じるのは私だけではないようで、Sound On Soundのレビュー記事でMartin Walkerは「Effects levels in Legacy M1 are slightly higher than on the hardware version.」と記している。

ソング

ソングコメント
雪待ち

雪が降る予報を聞き、曇り空を眺めていて、冬だなぁ、という曲。シンセ独奏のつもりで作ったが、コルグKRONOSのシーケンサーにMIDI録音してクォンタイズをかけ、後でメロディの1オクターブ上をオーバーダビングした。音色は「K01 07 Winter Sweep」。レコーダーMR-2000Sに流し込む時にLexicon PCM90の「P0 1.5 Good Ol'Verb」をかけた。

輝く太陽

M1のCARD1の最初に入っているプログラム「Universe」の独奏。KRONOSにMIDI録音してクォンタイズを4分音符でかけている。早めに切り上げることを考えて弾いた。この音色は、弾くたびに魅了される。

めしだぞ早く来い

M1のコンビネーション「K01 10 The 5th Sweep」の独奏。左手は通奏低音のドを押しているだけである。1音弾くと5度離れた2音が鳴るので、右手は4度離した2音で動かしている。

白い山

KORG Collection M1のコンビネーション「M01 04 Fuji-san」は、下の音域でギターと箏のトレモロが鳴り、上の方でフルートが鳴る。コルグPa1000のシーケンサーのトラック1に両手で伴奏を弾いたものを録音し、それにフルートのメロディをオーバーダブした。Pa1000のシーケンサーはトラックごとにMIDIチャンネルを設定することができない。そのため、1トラックに伴奏とメロディの両方を入れるという、後で直しにくい形での作業となった。M1の方でマルチを組めばいいのだが、面倒でやらなかった。

ホルンのためのファンファーレ

KORG Collection M1の「M21 02 FrenchHorn」を弾いて作った曲。高校から大学、就職してからもしばらくフレンチホルン奏者だった自分のことを、少し思い返している。リバーブは音色ママ。音量が上がらなくて大変だった。まだ足りない。歪んだ場合は、パソコン側で音量を絞り、オーディオ機器側で音量を上げると回避できるかもしれない。

あなたに会いたい

Keith McmillenのMIDIキーボードQuNexusでKORG Collection M1を弾いて作った。2オクターブの中に収まっている。少しずつMIDI録音し、最後のリタルダンドを除き、クォンタイズをかけている。

いろいろあるよね

「Softstring」という音色の独奏。この音色は自分のT2の音色セットから持ってきたものだ。元ネタがどこにあるのか、何らかの手を加えているのか、まったくわからない。もう少し低い音を足すとよさそうであったが、オーバーダブしたものを独奏というのもはばかられるので、今回はシンプルに終わらせた。

こういうスローアタックな音色はクォンタイズをかけないとテンポが見えないので、エンディングを除きクォンタイズをかけた。ただ、その結果があまりに平板であったため、テンポチェンジをマウスで入れていくという地味な作業をした。音量も平板だったので、エンベロープを書いた。リバーブは、「BlueVerb DRV-2080」の「Castle Main Hall」で、MIXパラメータを69.0に落とした。

憧れのスコットランド

バグパイプの音色が嬉しかった。私は左手があまり動かないので、通奏低音になることが多い。それを堂々とできるのはいいなぁ、と思ったのである。QuNexusが2オクターブしかないため、それで弾ける範囲で作った。アフタータッチで揺らぎを出した。録音した後に音色をいじってフランジャーとリバーブを減らしたが、減らし過ぎたかもしれない。

退屈な夏

KORG Collection M1の「K01 35 Hit Round」の独奏。もちろんちゃんと弾けているわけではなく、8小節くらいを入力してはクォンタイズし、ピアノロールでおかしくなったところを修正し、といったことを繰り返した。音色は、MIDI録音後にエフェクト量などを編集した。

秋の訪れ

KORG Collection M1に入れた「Aeroglide」の独奏。1989年末にKORG T2を買った時、この音色があったはずだが、当時の私はシンセの独奏をしようと言う気持ちはなかったため、この音色に注目することはなかった。フュージョンバンド、ジャズコンボの影響を受けていた私は、この音色に使途があるとは考えなかったのだろう。

満足

KORG Collection M1にはたくさんのプリセット音がある。たまにはプログラムではなくコンビネーションを弾いてみようと思った。コンビネーション「K01 19 Harder Mode」は、KORG nanoKEY Studioの2オクターブ鍵盤で弾くと、下半分でスイープするベースを、上半分で方形波とエレピのレイヤー音を弾ける。3音のどれもがステレオになっていて、これはハードウエアのM1で弾くとポリ数が足りなくなるであろうけれど、KORG Collection M1なら問題ない。

上の譜面を弾いて録音し、これだけでもいいかと思った。でも、ドラマーがいたら楽しいかも、ということで、Apple LogicのDrummerという機能を試してみた。ドラマーは「Kyle - Pop Rock」、ドラムキットは「Socal Kit」、ビートプリセットは「Half-pipe」で、どこかをいじった、かもしれない。ビートプリセットをだらーっと入れて、パターンだけでは終われないので、トラック3に「Socal Kit」を入れて、nanoKEY Studioの鍵盤で音を入れた。後半にカウベルも加えた。うまくないが、まあこれはこれで。ミックス時、ドラムスにLexicon PCM81の「P3 0.3 Brick Kit」を付加した。


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