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Studiologic Sledge

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Studiologic Sledgeは、伊FatarがStudiologicブランドで2012年に発売したデジタルシンセサイザーだ。「ENGINE by waldorf」と書かれており、内部はWaldorf Blofeldと同じものだろう。ただ、Blofeldよりもパラメータが少なく、できないことが多い。一方で、Blofeld Keyboardに比べた長所もある。61鍵、エクスプレッションペダル端子、大きな操作子、テンキーなどだ。アフタータッチとモジュレーションがいつも同じものをコントロールするというのも、なかなかイケてる手法である。「SLオプション」を購入すると(付属していない場合)、約60MBのフラッシュメモリーに波形を仕込むことが可能になる。バージョン2で、スプリットとレイヤーが可能になった。「Black Edition」もある。万能選手ではないが、でかく軽い、楽しいシンセである。

参考リンク

サウンド:目次

サウンド:ファクトリープリセット(OS 2.1)

OS 2.1のファクトリープリセットの最初の40個を録音してみた。

サウンドコメント
001 SLEDGE POWER
Wavetableを使った、Sledgeらしい音。ご丁寧に、ウェーブテーブルにモジュレーションまでかかっている。同様のことをするのは簡単ではないけれども。
002 ILLUSION
ポリフォニックポルタメントが印象的。Clavia Nordは、これができない、と思う。
003 TRUMPET MOON
アフタータッチビブラートがきれいにかかるのが特徴なのだが、今回は、それを使わないものを弾いてしまった。何故か、これを弾きたかったですよ。
004 OMNI LORD
これはモノ。モノにするとポルタメントがフィンガード(レガートした時だけかかる)になる。ビブラートは方形波でかかっている。
005 EMO CHORD
3つのオシレータがドミソに設定されている。コードメモリー的な音。ビブラートはこれも方形波。
006 WHO FLASH
カテゴリーがベースなので、低めで弾いてみたが、よくわからない。
007 EIGHT BRASS
おそらく、Jupiter-8をイメージしたブラス。録音は、ビブラートのかけ過ぎでふにゃふにゃしてしまったが、実際は、けっこう芯がある、いい音。
008 EIGHT LEAF
ウェーブテーブルのモジュレーションで、デジタルな感じが付加されている。リードトーンとしても使えるが、せっかくポリなので、両手で弾いてみた。曲は、坂江務作曲「Off The Stage」のイントロ。
009 SINTHETICARP
アルペジオの例その1。減衰音に聞こえるが、アンプEGではサスティンレベルがけっこう高め。フィルターEGがよく効いている。
010 VINTAGE SINE
オシレータ1が32フィート、オシレータ2が2フィート。フィートを離すとオルガンぽくなるのが常なのだが、そうなっていないところにプログラマのうまさを感じる。
011 MICRO SINE
サイン1個だけなんだけど。なんか、きれい。
012 SQUARE ARP
アルペジオ音色に揺れが大きく設定されているのに新鮮さを感じた。ビブラートじゃなくて、コーラスみたい。
013 WELCOME !!!
サンプル&ホールドをフィルターにかけた音色。フィルターが独特の味を持っている。
014 SWEET PAD
私が好きなタイプのパッド。こもっていて、でもちゃんと鳴る。
015 PEARL PAD
これも素敵なパッド。オシレータの1と2は鋸歯状波で、3はPWM。PWMに味がある。
016 SWEEP PAD
オシレータ3にLFO1のランプがかかっていて、それがスイープを生み出している。キーを押したままにすると音が消えてしまうので、うまいところで離鍵すべきだったのだが、この録音では、そこまでできていない。
017 SCREAM WAVE
昆虫モンスターの声、といった風情の音。すごい。
018 FUSION CLAVI
ウェーブテーブルを使っているのだが、波形選択が通常のボリュームでクリックがないため、どの波形を使っているかさえわからない。波形にモジュレーションもかかっているし。このあたりは、使いにくい。
019 GHOST
いかにも、幽霊を感じさせる音。モジュレーションは、LFO1、LFO2、ホイールのすべてがオシレータ1にかかっている。波形はLFO1と2がサインで、スピードが違う。ホイールはランプ。うまいものだ。
020 JUPITER WIND
これはローランドのJUPITER-8ではなく、木星のことだと思う。木星の風なんてだれも聞いたことないけどね。いい風の音なのだが、リリースが非常に長く、また、Sledgeは音色を切り替えても前の音が消えないので、この音を一度使うと、次の音への影響が大きく、場合によっては電源を切らなければならない。
021 INFABULUS
オシレータ1でウェーブテーブルを使い、オシレータの2と3も使い、独特のリバーブがかかり、ポリフォニックポルタメントがかかっているという、とてもSledgeらしい音。アナログモデリングというより、デジタルシンセだなー、と思う。
022 MINI CLICK
Sledgeは、アタックが速いというより、独特の雑音としてのクリックを持っているように思う。アタックを遅らせれば消せるんだけど。オシレータ1の鋸歯状波のみで作られている。minimoogっぽいかというと、別にそうは思わないが、でも、それをイメージして作ったんだよ、ということを示すのは、悪いことではない。
023 QUADRA TRIO
ARP QUADRAをイメージして作ったんだろうか。太いというより、重みのある音が心地よい。サインのモジュレーションもきれい。
024 SPACE JUPI 4
ローランドJUPTER-4なんでしょうねぇ。4ボイスユニゾンのイメージかな。モジュレーションホイールまたはアフタータッチで方形波がカットオフにかかり、いい味を出している。
025 SL TIGER
ウェーブテーブルのみで作ったオルガン音。昔々、TIGERというコンボオルガンがあったようで、それをイメージしたのかもしれない。どの波形を使っているのかは謎だが、WAVEつまみを回すと、それだけで面白い。Sledgeは、ウェーブテーブルがあり、PCMサンプルがあり、さらにオシレータを2個追加できるので、オルガンの音はなかなかに楽しめる。ただ、ディストーションがちゃんとしたものがない。フィルターにはDRIVEつまみがあるが、これは、うまくかかったりかからなかったりする。また、ロータリーエフェクトがない。Juno6でやっていたように、コーラスで代替することはできるが…。
026 SL CLAVI
ウェーブテーブルのみで作ったクラビネット。これもWAVEつまみを回すと楽しい。けっこうよくできたクラビ音だと思う。私にとって、クラビは苦手分野であるけれど。
027 HELICOPTER
ヘリコプターの効果音。弾くキーによって音が微妙に違うのが面白い。よくできている。
028 OBERH PAD
これがオバーハイムかと問われると、うーん、Matrix 1000はこんな感じだったような気がする。売っちゃったけど。
029 ANYA BRASS
Enyaからもじったのかなあ…。鋸歯状波3個によるブラス。よくできている。音がかっちりしていて、アナログというよりは、PCMブラスっぽい。でも、モジュレーションがきれいにかかるのは初期のPCMシンセとは違う。オシレータ3つLFO3つというリソースを生かした音なのかも。
030 VIBES
ウェーブテーブルのみで作ったビブラフォン。本物に似ているとは思わないが、好みの音。これもWAVEつまみを回すと勉強になる。
031 SIRE LEAD
パルス一発のリード。PULSE WIDTHは「50」なので、方形波と変わらない。でも、そのつまみを回すと勉強になる。特徴のあるパルスだと思う。
032 ANALOG PAD
どこがアナログなんだ?と思うが、もしかしたら、Waldorf WaveやMicroWaveはこういう音だったのかもしれない。そのあたりは買ったことがないので、今ひとつわからない。私が買ったWaldorfのシンセは、Microwave 2だけである。モジュレーション(とアフタータッチ)は、ランプがフィルターに正方向でかかっている。
033 ANALOGSTRING
いい広がりを持ったシンセストリングス。上のANALOG PADと同様にアフタータッチがフィルターにかかっており、それを強調して弾いてみた。ただ、自分が演奏するなら、やはりビブラートにアサインする。
034 MICRO SAX
幅が均等でないパルス一発で作ったサックス。いい味を出している。方形波でビブラートかけなくてもいいんじゃないの、と思うが、変えるのに手間はかからないから、一つの提案として受け取っておこう。
035 KE9 LEAD
どうやら、Emerson, Lake and Palmerに「Karn Evil 9 Suite」という曲があるらしく、そのリードトーンをまねたものではないかと推測される。YouTubeの動画で見たら、カバーバンドがすばらしい演奏をしていた(ELP KE9 1st Impression Part1 cover by a virtual ELP Cover Band)。うーん、やるぜ。
036 AQUA LEAD
3オシレータあるぞ、というリード。いけてる。
037 MULTI BASS
ベースにここまでモジュレーションをかけるのは一般的ではないと思うが、でも、それがプログラマからの提案ということで。
038 SQUARE PAD
これもモジュレーション過多と思うが、でも、参考になる。
039 1 OSC ARP
シンプルな音の方が音圧がある、という例。
040 ORGAN BRAKE
ブレーキは、ロータリースピーカーのモーターを止めた、揺れがない音を指すのだろう。ウェーブテーブル一発で作られており、WAVEつまみを回すといろんなオルガン音が仕込まれていることがわかって面白い。

サウンド:SLオプションの例(OS 2.1)

SLオプションを導入し、波形を読み込ませてみた。そのごく一部。

サウンドコメント
CONCERTGRND1
提供されている元プログラムはえらく倍音を削ってあったので、フィルターを12dB/Octに切り替えてカットオフを開けて、などの変更を加えた。嫌味のない、素直な音だと思う。
Power GRAND1
Power Grandという音色名を聴くと、MOTIF-RACK初代を思い出す。それには負けるかな、と思うが、それなりに使いやすいピアノ音色ではないだろうか。
STUDIO GRND1
スイープしている感じがちょっと嫌味かも。中高域で弾いた方が、良さが出たかもしれない。もうちょっと、倍音を絞るとか、改良の余地がありそう。

サウンド:ファクトリープリセット(OS 2.5.1)

2017年12月にOSを「2.5.1」に更新した。SLオプションが全ユーザーに提供されることになった。SLオプション用の波形データとファクトリープリセットは一新された。最初の10個を弾いてみたのが以下だ。正直、テクノ風味が強過ぎて、うまく弾けない。2.5.1では出力音量が上がったそうで、確かにはっきりくっきりしているが、でも、失われたものもあるような気がする。

サウンドコメント
001 SLEDGE
ウェーブテーブルモジュレーションの音。SledgeがWaldorfのシンセの一つであることを強烈に主張している。
002 NICE WAVES
冷たい感じがジャーマンテクノ。
003 WAVEQUENCE
いやほんとに、テクノ路線になったんだなあ…。
004 CHILLAR
冷たいです。
005 RESOPACKED
ゼロdBにノーマライズしたら音がおかしくなった。仕方ないので上に1.5dB開けた。
006 BP SWEEP
Waldorfフィルターがあまりに生々しい。美しいとも思うけれど。
007 COLD DREAM
冷たい音ばっかり。
008 FORMATA
ビートに合わせて弾くのが大変に難しく、簡単なフレーズに落ち着いた。
009 BIG DANCE
低域をドーンと響かせるのが楽しい音なのだが、録音すると興がそがれる。
010 HOLD&CRY
モジュレーションホイールを上下させてみた。

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