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KORG wavestate

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「wavestate(ウェーブステイト)」はコルグが2020年に発表し出荷を開始したデジタル・ポリフォニック・シンセサイザーだ。1990年にリリースされた「Wavestation」の末裔(まつえい)である。Wavestationは「ウェーブ・シーケンス」という仕組みを持ち、PCM波形を時々刻々と変えることができた。wavestateはその発展型である「ウェーブ・シーケンシング2.0」を搭載している。

Wavestationのウェーブ・シーケンスは各ステップ(最大255ステップ、1バンク最大500ステップ)にデュレーション(長さ)、サンプル(波形)、ピッチを割り当てることができた。wavestateのウェーブ・シーケンス(ウェーブ・シーケンシング2.0)は、マスター、タイミング、サンプル、ピッチ、シェイプ、ゲート、ステップシーケンスという7つのレーンを持ち、それぞれのレーンの長さ(最大64ステップ)を個別に設定できる。レーンごとにスタート、エンド、ループスタート、ループスタートを設定でき、それをリアルタイムに変えられる。

ウェーブ・シーケンスを使わなくても、wavestateは魅力的なシンセサイザーと言える。数ギガバイトの波形メモリーを持ち、64音ポリフォニック。Polysix、MS-20などを含むフィルター、4つのエンベロープジェネレーター、4つの低周波発振器(LFO)、ディレイやリバーブを含むデジタルエフェクターを持つ。4つのレイヤーを使って、レイヤー、スプリット、マルチティンバー演奏ができる。ベロシティ対応の37鍵盤、ピッチホイール、モジュレーションホイール、ジョイスティック、サスティンペダル端子があり、普通のシンセとしても使える。グルーブマシンの要素を持つシンセサイザーとして、よくできたものと言える。

参考リンク

サウンド

サウンドコメント
Air Dance Split

プリセット音色の一つを弾いたもの。ライブラリアンを「Performance」のリストにし、パフォーマンスを右クリックして「Select On Synth」を選ぶと、wavestateでその音色を弾ける。その実験をしていて、あ、この音面白いわ、と録音した。コルグMR-2000Sを回して手弾きし、無修正。

Piano1

ここから5音色は、ウェーブ・シーケンスを使わない普通の音色を作る練習をしたものだ。「Init Performance」を選び、レイヤーのモードを「Single Multisample」にし、波形「Piano: Acoustic mp」を選び、フィルターは「2-pole LPF」にし、ベロシティをフィルターとアンプにかけた。wavestateのフィルターのキーボードトラックはパラメーターが多く、普通にトラックさせるにはどうするかがマニュアルに記述されている。「Init Performance」から作った場合は、「Key Track」パラメーターを+60にすればよい。ここから5点もMR-2000Sを回して手弾き無修正。この音色の録音を聴いて、エンベロープの「SUSTAIN」を下げ切っていなかったことに気付き、後に修正した。

Saw1

波形は「Wave: Saw」。フィルターは「2-pole LPF」、エフェクトはプリセット「Mono 1/4 note dly」を選んでモノにしている。wavestateのエフェクトは、プリセットを選んで、少ないパラメーターを相対的に設定するというユニークなものである。「MOD」で「Pitch Tune」を「Pitch LFO」で変調し、「Int Mod Src」を「Mod Wheel CC 1」にして、モジュレーションホイールでビブラートをかけた。

Saw1Mono

「PERFORM」から「PAGE+」で進んで「Voice Assign」ページを開くと「Mode」パラメーターでモノに切り替えられる。レガートのオンオフ、優先度(高音、低音、最後)、ユニゾンの設定もある。至れり尽くせりだ。前の音色をベースにしているが、少しアタックを速くした。

Square1Mono

波形を「Wave: Square」にし、ポルタメントをかけたもの。ポルタメントの設定ページは、マニュアルを見てやっとわかった。SHIFTボタンを押しながら「OCTAVE」つまみ(「RESONANCE」つまみ)を回すと出てくる。フィンガードにするかどうか、コンスタントレートかコンスタントタイムにするかを選べる。

SawStrings1

鋸歯状波を2個重ねてデチューンしたストリングス。レイヤー1個に波形を1個しか選べないが、単にデチューンしたいのであれば、ユニゾンを使えばよい。ここでは、「Unison Voices」を「2」にし、「Detune」を「6 cents」にした。「Thickness」と「Stereo」はいずれもゼロのままにした。フィルターは「MS-20 LPF」。エフェクトはリバーブのプリセット「Rich Hall Overb」をかけた。

Kick&Shaker1

ここからの2音色は、ウェーブ・シーケンスを使う練習をした時のものだ。「氏家克典が弾く!KORG wavestate」の動画を見て、最初に作ろうと思っていたのが「ドッチチドッチチ」である。何とそれが3ステップでできるというのだ。思い切りつまづいたのは、レーンの長さを長くするのはどうすればよいか、だった。「END」を増やそうとしても増えないのである。どうにもわからず、動画を見直したら、ステップをコピーしてペーストして伸ばしていた。やれやれ。

で、TIMINGレーンに8分音符、16分音符、16分音符という3ステップを入れ、SAMPLEレーンでキック、シェイカー、シェイカーという3ステップを入れると、「ドッチチドッチチ」ができあがる。

上の録音でそれが違うものに変容しているのは、SAMPLEレーンのLOOP STARTつまみとLOOP ENDつまみを回しているからである。ループエンドを中間にするとキックとシェイカーが交互に出てくるが、TIMINGレーンは影響を受けないので違うパターンになる。ループエンドを左に回し切るとキックのみで「ドッドド」と鳴る。ループスタートを右に回すとループがシェイカーだけになる。ただ、キーをトリガーし直すと、その時はキックから始まる。

ループのスタートとエンドを変えるだけでけっこう音が変わる、みたいなことをどこかで読んだ気がするが、確かに変わる。

Scale1
今度はTIMINGレーンとSAMPLEレーンは1ステップだけにして、PITCHレーンを8ステップにしてドレミファソラシドを入れた。押したキーに合わせて音階を奏でる。PITCHレーンのループスタートとループエンドをいじると、発音される音程が狭くなり、意図しない旋律を生み出す。

ソング

ソングコメント
何かあった?

鋸歯状波を使い、PITCHレーンに「ドソドレミソドレ」と打ち込んだ。GATEレーンとSHAPEレーンで音の出方を柔らかくした。リバーブもかけた。レイヤー2で同じ波形を使ったリードを作り、フェイドでビブラートをかけ、リリースを長くし、チャンネル2で弾けるようにした。Logicで2つのレイヤーを発音させた。

1本の手と1本の足があれば

wavestateのプリセットパフォーマンス「Basic Vel Switch Tine EP」の独奏。「こんなのだれでも弾けるじゃないか」と言われたら「だれでも弾けるように書いてるんだ」と答えたい。譜面を下に示す。


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