logo.gif

Alesis Fusion HD

go to English page

AlesisFusion6Hd2.jpg

Alesis(アレシス)が2005年に発売したオールインワンシンセ。61鍵盤の「6HD」(上写真)と88鍵盤の「8HD」がある。主流とはとても言えないシンセであるが、いざ入手して弾いてみると、悪くない。アフタータッチ付きのしっかりした鍵盤。ホイール(実際はホイール状のガイドの上にスライダーが付いている)を鍵盤の上に置くコンパクトなデザイン。ボタンはフニャフニャして見えるが反応が悪いことはない。画面は明るく、コントラストつまみがすぐ横にある。タッチパネルではなく、左右のボタンを押して機能を呼び出す。AKAI S5000/6000に似ている。右手前にある「コントロールホイール」の周囲には「EDIT」「UNDO」「STORE」「PREV」「NEXT」「INC」「DEC」ボタンがあり、音色の編集がしやすい。PCM音源のほか、FM音源、アナログモデリング、物理モデリング(リード、ウインド)を持ち、シンセサイズを楽しめる。サンプルやエフェクターはアレシスらしいもの。日本製のオールインワンとは一味違う。

特筆すべき機能は、パソコンとUSB接続して「Alesis Fusion Converter」を動かすと、AKAI S5000/6000のプログラム(akp)、SoundFont(sf2)などをFusionのHDDまたはメモリーカード(コンパクトフラッシュ)に送り込めること。HDD内に仕込んだサンプルは、プログラムを選ぶだけで、必要なロードが自動的に行われる。もちろん、ロード量が多いと待たされる。例えば、32MBのピアノを読み込むのに16秒を要する。でも、ロードに要する時間は、短い方ではないだろうか。意図しないロードが発生して待たされることもあるが、それでも、サンプルプレイバックシンセとして、価値ある1台であると思う。

参考リンク

サウンド:目次

サウンド:ROMプリセット1

サウンドコメント
A-1 Holy Grail Grand Piano
Holy Grail Grand Pianoというのはけっこう有名で、E-MU SystemsのProteus 2000の拡張ボードと、E-MUサンプラー用のCD-ROMを所有している。それがFusionにも入っている。すごくいいという気はないけれど、悪くもない。このプログラムに関していうと、ちょっと響きが出過ぎていて、好きではない。
A-2 Studio Upright
A-1と同じ波形を使っているが、倍音を抑えてある分、弾きやすい。上品で、いいピアノだ。
A-3 Concert Piano & Choir
ピアノと人声のレイヤー。よくできたプログラムだとは思わない。
A-4 Fusion Suitcase
私の趣味ではない。アタックが強く、伸びが足りない。
A-5 AcoustiLectric Piano
これは悪くない。リバーブの量を絞ると、まあまあ使えそう。アレシスらしい、QuadraSynthを思い出させる音。
A-6 Jam Wurly
これも悪くない。アレシスらしい。
A-7 Click Piano
嫌いな音ではないが、これって、ピアノかなあ?
A-8 Supervamp!
アナログモデリングで作っているにしては、ピアノっぽさがあって面白い。
B-1 Fusion Punch Clav
明るさはあるが、歯切れが足りない。
B-2 Analog Clav 1
アナログモデリングで作っているのは面白いと思うが、使うかというと…。
B-3 Pluckermann Harpsi
これは好き。楽しく弾けた。
B-4 Dream Vibes
ディレイが楽しいとは思う。それを取り去った時にどんな音になるかは、ちょっとわからない。
B-5 Concert Marimba
強烈なアルペジエイターがかかっていたので、そのまま使ってみた。悪くない音だと思う。
B-6 Handy Bell
AlesisはQuadraverbなどのエフェクターも人気があった。高級な音ではないけれど、アレシスらしさというものがあると思う。ここでは、ディレイがきれい。
B-7 Chimey
なんと、FMのベル音。Fusionには、6オペレータのFM音源があり、フィルターもかけられる。アルゴリズムというものはなく、「Router」画面でルーティングを設定する。うわあ、わかりにくい…。でも、オリジナリティがあると評価したい。
B-8 Weird Bells
FMのベル音がもう一つ続けて入っている。DXとは違った響きである。
C-1 Jazz Click Organ
パーカッションの響きがどのように弾いても鳴る、というのはハモンドオルガン本来の動作ではないが、でも、この方が弾くの楽だし、鍵盤一つで弾く場合は、こうしないとパーカッションを出せないよね。歪みは「Organ Rotary」というインサーションエフェクトでかかっているようで、ペダルを踏み込むとそれが強くなる。この動作は高く評価したい。ペダルで歪み量をコントロールできないことがけっこうあるので。
C-2 3 Drawbers Organ
ドローバーの下3本を引っ張り出したサンプルと、2ndパーカッションの波形で構成されている。インサーションエフェクトは上と同じOrgan Rotaryで、ペダルを踏むと歪むのが気持ちよい。
C-3 Martial Organ
martialは「軍隊の」ということだろうか。軍楽におけるオルガンの位置付けがわからない。ついつい、「きよしこの夜」を弾いてしまった。
C-4 Gospel Organ
Gospelかぁ。映画「Blues Brothers」くらいしか知らない。そんなわけで、クリスマスソングをもう一つ。
C-5 Ballad Organ 1
やさしい、ちょっと遠くで鳴っているオルガン。
C-6 Full Stops!
パイプオルガンですべてのストップ(音色)をオンにした、というイメージの音。リバーブが素敵。
C-7 60s Conti Organ
1960年代のContinentalのオルガンをイメージした音だろう。コンチネンタルのオルガンって、触ったことない。実物を見たこともないかも。昔の電子オルガンっていうと、エレクトーン、ドリマトーン、ヤマハのコンボオルガンくらいしか触ったことがない。
C-8 Les Rues de Paris
パリの街角ではこんなオルガンが鳴っているんだろうか。行ったことがないけれど。フレーズは、即興で作ったもの。ちょっと悲しい、かな。
D-1 Acoustic 6-String & Harm
アコースティック、通常の6弦ギターの音。強くたたくとハーモニクスになるが、使い方はよくわからない。
D-2 Stereo 12-string
アコースティック、12弦ギター。アルペジオがかかっている音色はそれをそのまま使って弾くことにしているのだが、これはどんなもんだろうか。アルペジオのできがあまりよくない。もしあなたがこの音色をオーディションするなら、アルペジオをオフにするのも、試すべきだ。
D-3 Heavenly Harmonics
これも、オンになっているアルペジオを使っている。左右に音が飛ぶ感じがなかなか気持ちがよい。Alesisのエフェクターは、独特の味があって、悪くない。
D-4 Nylon Acoustic 1 Velo
金属弦ではなく、ナイロン弦を張ったアコースティックギターということだろう。けっこういい音だと思うが、私の演奏がそれをダメにしているかも。
D-5 Big Body Electric
波形は大したことないが、エフェクトはまあまあいい。
D-6 Single Coil Dirt Mute
設定されているアルペジオを使った演奏。いいような悪いような、評価が難しい音。
D-7 Dist Rhythm Gtr 1
これもやっぱり、エフェクトがいいんだろう。また、モジュレーション、アフタータッチとピッチベンドのかかりも、それらしい。プロセサの処理性能がけっこういいんだろうと思う。
D-8 Lead Guitar MW AT
Fusionのギターの音、私はけっこう好きである。ギターの音が一番いいのはヤマハだと思うが、それに続くクラスではないだろうか。西海岸らしさがある。
E-1 Big Fat Upright Bass
アコースティックベースは、このごろのシンセはどれも質が高い。この音も、長く弾くとループが感じられるが、ウォーキングなら目立たない。
E-2 G Fretless Bass
かわいらしいフレットレスベース。8:30のBirdlandを思い出しながら弾いた。いい音だと思うが、録音すると、ちょっとパワーがそがれる。思い切りつぶすべきなのかも。
E-3 Bass & Harmonix
ハーモニクスを使ってみたが、どんなもんだろうか。
E-4 Dyna Pull Bass
アタックが強く伸びが足りない。コンプレッサーで思い切りつぶすといいかもしれない。
E-5 Stik Bass
チョッパーっぽく弾いてみた。Orange Expressのフレーズ。
E-6 Emmie Bass
設定されているアルペジオを使った。オフにして使うのもいいと思う。ここから3つは、アナログモデリングのベース。
E-7 Drum'n'Bass Square
最後部ではアフタータッチをぐりぐりしてみた。ポルタメントもいい感じ。
E-8 Growler Bass
グッォーと唸るシンセベース。弾いているといい感じなのだが、録音すると、ピークがあって音量を抑えなければいけないためなのか、迫力が減ってしまう感じがある。
F-1 Arco-Marcato Strings
持続音と減衰音の両方を弾き分けられる音、と思われる。そういうことをしたいかどうかは考えものだが、でも、一つの音で済ませられるかもしれない。 米国西海岸らしい(Alesisの創業地はハリウッドだったらしい)、明るい、乾いたサウンド。本物に似ているようで、でも似ていないようでもある、シンセらしい音。
F-2 Bright Violin
ピークでノーマライズしたら大きくなった、ということは、意図しないピークがあまりないってことね。モジュレーションホイールでビブラートがかかる。エフェクトのせいか、そのビブラートに味がある。ベロシティで音量が大きく変わるが、弾きやすさという点でいうと、変化量を削った方がいいかもしれない。
F-2 Bright Contrabass
バイオリンの次に用意するのは通常セロだと思うのだが、このプリセットではコントラバスである。コントラバスのボウイングは、ちょっと珍しいかも。ビブラートやベロシティのレスポンスは、上のバイオリンと同様である。
F-4 Concert Harp
おいおい、もうハープかよ、と思う。ディレイが大きくかかってフワフワ感があり、ハープってこんな音だっけ?と思う。ハープは弾き方がわからない。とりあえず、サスティンペダルを踏んで下から順番に音を重ねてみた。
F-5 Pizzicato Symphonique
これもディレイが重い。何を弾くか悩んだ。といっても数分である。ゆっくり考えていたのでは、いつまでたっても終わらない。
F-6 High Mello Strings
使っている波形は「Tape Strings」なので、メロトロンをイメージした音であろう。それにしちゃ、けっこうハイファイに仕上げてあるのね。
F-7 Symphonos
シンセにおけるエフェクターの重要さを改めて考えさせてくれる音。Alesisらしい!と嬉しくなる。
F-8 Euro Strings
サンプルではなく、アナログモデリングによるストリングス。ここではちょっとひねった弾き方をしたが、普通に白玉を弾いても美しい。Fusionのアナログモデリング、けっこういいのではないか、と今のところ思っている。自分で実際に音を作ってみたわけではないが。
G-1 Ooh Meets Oz
編集画面を見ると、「Vocal Ooh」と「Vocal Ahh」が使われている。使いやすい人の声。音域も広い。
G-2 Boys Choir on Tape
メロトロンの少年合唱。ハイファイに仕上げてあるのがユニーク。
G-3 Fragile Spacechoir
弱々しいところに良さがある。使ってみたい音。
G-4 Babylon Choir
古代メソポタミアのバビロンでどんな風に歌が歌われていたか、知るよしもないと思うのだが、でも、この音好き。
G-5 Zipper Pad
アナログモデリングのパッドで、モジュレーションホイールでポコポコいうので、それを使わずばなるまいということで、鍵盤を弾いているのは右手だけ。Fusionのアナログモデリング、面白い。
G-6 Roman Choir
人声はコルグがけっこういいんだけど、Alesis Fusionもなかなかいけてる。
G-7 Cloud Formations
「Eboby Flute」と「Overdrive Lead Guitar」で構成されている。減衰が速い。
G-8 Saturn Seven
未知なる宇宙への憧れをかき立てる音。
H-1 Big Stereo Brass
普通に素敵なPCMブラス。シャリシャリ感がいい。モジュレーションホイールでかかるビブラートもいい感じ。
H-2 Big Classical Brass
ホルンとトロンボーンが感じられるブラス。リバーブが深めであるのがアレシスらしい。ビブラートはきれい。
H-3 Trumpet
この音色はモジュレーションホイールとアフタータッチのアサインがないように思う。ビブラートを意図してかけることはできないのだが、ディレイでほどよくかかっている気もする。リバーブがアレシスっぽい。
H-4 Harmon Mute Trumpet
中学生のころ、日本楽器浜松店にミュート(消音器)買いに行ったっけなあ。紙のミュートを選んだけど。
H-5 Trombone
ピッチベンドの使い方がヘタで、音痴になってしまった。
H-6 French Horn
大学生の時、自分が通っているのとは違う大学の有志オケにエキストラで行って、「亡き王女のためのパヴァーヌ」を演奏した。冒頭がホルンのソロだった。上の音域でふーふーいう感じ。それをシンセで弾けて嬉しい。調性は正しくないかもしれないが、会心のでき。
H-7 Brassalog
アナログモデリングのブラス。この録音ではおとなしい感じになってしまったが、モジュレーションホイールを上げるともうちょいハデになる(録音時には気付かなかった)。リバーブが音を決めてるな、と思う。
H-8 2-Pole Saw2thBrass
先ほどの音と同様に、アナログモデリングのブラス。これも、モジュレーションホイールのシカケに気付かず、地味な音で弾いてしまった。
I-1 1st Clarinet
高校生の時に中古を買ってもらったエレクトーンD-30には、クラリネットのトーンレバーがあり、けっこう好きだった。シンセの矩形波でクラリネットを作るのも好き。PCMのクラリネットも好きである。Alesis Fusionは、ベンドとビブラートのふるまいがスムーズで、弾いていて気持ちがいい。新しく性能の高いDSP(Digital Signal Processor)を使っているためだろうか。
I-2 Lyrical English Horn
ここから、イングリッシュホルン、オーボエ、バスーンと、ダブルリードが3つ続く。最初の128音色に、これを入れたかったというのは、作った人の主張なんだろうなあ。
I-3 Oboe Soloist
ディケイが特徴的なオーボエ。自分で作る時はサスティンレベルを上げて作ってしまうことが多いが、こういう手もありだな、と思った。
I-4 Bassoon
ダブルリードの楽器は高価で、中学だとなかなかそろえることができなかったりする。高校にはあったっけ。
I-5 Sultry Alto Sax
蒸し暑い、官能的なアルトサックス、だそうな。ピッチベンドの使い方が悪く、音痴になってしまった。
I-6 Expressive Sax
アルト的に弾いてしまったが、もう少し下でテナーっぽく弾いてもよかったかもしれない。
I-7 BariSax
こんな低い音、出ないかもしれないが…。でも、私としては、うまくできた録音である。
I-8 Woodwind Ensemble
波形は「Ebony Flute」と「Tape Flute」なので、カテゴリーは「Pipe」にすべきではなかったろうか。
J-1 Ebony Flute
最高とは言わないが、いけてるフルートだと思う。ベロシティは、弾き間違えると音を伸ばしている間に修正がきかないので、もうちょっと抑制した方がいいかな。
J-2 Tape Flutes
メロトロンのフルート。複数形になっているのが、そうだよね、と思わせる。そんなわけで、複数の音で弾いてみた。
J-3 Irish Pipe
この音は、モジュレーションホイールを押し込むと音が丸くなる。そういうプログラムがいくつかある。慣れなくて使い方が難しいのだが。
J-4 Tongue of Pan
パンフルートというと、KORG T2や、ローランドのSC-33を思い出す。SC-33のパンフルートは使い勝手がよく、デモ段階でボーカルの代わりとして使うことも多かった。
J-5 Shaku Jack
これまで尺八の音をうまく弾けたと思ったことがないのだが、今回は、自分史上では、一番うまく弾けたと思う。一つの理由は、藤原道山のSACDを聴いたから。もう一つは、Fusionのこの音色が、ベンドとモジュレーションホイールがよく効き、リバーブもらしくて気持ちがよかったから、だと思う。尺八は、研究する価値があるかも。
J-6 Rainforest Recorder
中域だと太さが好ましいんだけど、高域に行くと、強過ぎてエクスプレッションペダルで音量を制御したくなる。弱めるのはできるから、いい音と言えるかも。
J-7 Modeling Lead
リード(reed)モデリングの音。うーむ、管楽器モデリングは、どの会社のものも、なかなか難しいんだよなー、と思う。PCMの方が、本物に近く聴こえるんだよね。それでも、モデリング音源、好きです。
J-8 Bottled Light
「Synth Voice」をメインに「Bottle Blow」のアタックを付け加えた音。ハイファイなメロトロンサウンド、かな。
K-1 Sawtooth Lead 1
アナログモデリングのシンセリード。モノの挙動も正しく、気持ちのいい音。ここから紹介するLeadカテゴリーの8音色はすべてアナログモデリング。
K-2 PWM Lead 1
これって、PWM(Pulse Width Modulation)なんでしょうねぇ。よくわからんけど。
K-3 70's Lead !
オシレータが離れて鳴っていて、ポルタメントがかかっている、それが70年代風?
K-4 Sine Lead
オクターブ違いのオシレータが3つ鳴っている。オシレータが3つの機種はそんなに多くないので、ユニークかも。
K-5 Prophetic Sync Lead
オシレータシンクの「ギュオーン」は、私のボキャブラリーにない音で、弾くのが難しい。
K-6 Someday Soon
これがリードトーンかと言われると疑問だが、気持ちのいい音。
K-7 Baked Beings
ディストーションギターに対抗するための音、かな?
K-8 Super Synth
モノフォニックなので、そのまま弾いたけれど、ポリフォニックにして和音を弾いた方が迫力がある。
L-1 Pim's May Trix
アナログモデリングで、カテゴリーはパッド。ただ、パッドにしては強いよな、と私は思う。カテゴリーについての考え方が、私とは少し違うのかも。ベロシティ、モジュレーション、アフタータッチによく反応し、いろんな音が出せるプログラム。ただ、その分弾くのは難しい。
L-2 Charge PWM!
これもアナログモデリング。Fusionのアナログモデリングはなかなか見どころがある、と思う。私は以前アナログモデリングのシンセになかなか手を出しにくくて、EX5のAN音源(最大2音)くらいしか持っていなかったが、ClaviaのNord Rack 3を中古で買ったころからたががはずれ、今ではアナログモデリングのシンセがいくつあるか、数えるのがおっくうなくらいである。Fusionのアナログモデリングは、エフェクターがいいんじゃないかなあ、と思う。
L-3 Super Euro Synth
これもアナログモデリング。思い切りディレイがかかっている。弾いた感じより、録音すると元気がないように感じるのは、私がヘタなせいだろう。
L-4 Staircase
これもアナログモデリング。アルペジエイターがかかっていたのでそれを使ってみた。これはパッドと呼ぶべきなのだろうか。
L-5 Dark Moon Side
これまたアナログモデリング。モジュレーションホイールがフィルターのカットオフとレゾナンス、LFO3からピッチのアマウントにかかっており、ホイールを上げることで面白く音が変化する。LFOの1と2も使われている。これは効果音だろ、と思う。
L-6 Metorgan
FMで作られたパッド。FMというとDX7、と思いがちだが、他社も意外と同等の機能を提供している。コルグ、DSI、Clavia、Studiologic(Waldorf)、そしてAlesis。AlesisのFMは、また独特な味がある。エフェクトのせいかもしれないが。
L-7 Oxide
これもFMパッド。高域のシャリシャリ感がFMっぽく、なおかつアレシスぽくって素敵。
L-8 Little Lost Crows
もう一つFMパッド。ここまで紹介したパッドカテゴリーの8音色は、アナログモデリングとFMで、PCMがない。がんばってるね。
M-1 Devine Strings
FM音色。モジュレーションホイールを奥に押し込むと発音しない。そこから弾いてくることでスイープが得られる。ここから8音色は「Synth FX」カテゴリーなのだが、効果音というよりは、コルグのモーション音色に近いと思う。ただ、そのモーションが、モジュレーションホイールなどにより、マニュアル制御になっているものが多い。
M-2 Padmover MW
モジュレーションホイールで動くパッド、ということなんだろうけど、そんなに動かないぞ、と思いながら弾いた。アナログモデリング。
M-3 Soft Pad
アナログモデリング音色。モジュレーションホイールはビブラート(風)のものになっていて、使いやすい。いい感じで揺れる音。好きです。
M-4 Compleat Pad
アナログモデリング音色。ちょっとホーンっぽいところが特徴か。
M-5 Solid Pad
これもアナログモデリング。シュワシュワ言ってますね。特徴がないと言えばないけど、でも、なんか、使えそうかも、と思う音。
M-6 Sweeper Pad 1
これまたアナログモデリング。なんか音程が違うなー、と思ったら、ペダルで音程が変わるという激烈なプログラミングがなされていた。
M-7 Drama
これまたアナログモデリング。シリアスなドラマが始まりそうで、ちょっと怖い。
M-8 Sync The HP Filter
これまたアナログモデリング。このカテゴリー「Synth FX」の8音色は、1個がFMで、あとは全部アナログモデリングだ。あっぱれ。
N-1 Koto Mood
ここから8音色は「エスニック」カテゴリー。これは日本の琴ですね。ピッチベンドは、私はやはり縦方向が使いやすい。
N-2 Dynamic Dulcimar
ダルシマーってどんな楽器だっけ?
N-3 Celtic Harp
ケルトのハープと言われても、もう、まったく知識なし。
N-4 Thai Bell Ensemble
きれいすぎやしませんか。
N-5 Exotic Zither
チターと言われても、もう、まったくアイデア浮かばず。
N-6 Imperial Opiates
阿片ですか。うーむ。そういえば、そういう戦争あったなあ。
N-7 Casbah Minstrel
北アフリカ、カスバの吟遊詩人。と言われても…。
N-8 Uillean Pipes
G2より下で通奏低音が鳴るので、それを押さえつつ、右手でメロを弾いてみた。通奏低音の立ち上がりに時間がかかるのが、なんかリアル。
O-1 Standard Set
Alesisのドラムって、こういう音だよね。けっこう好き。
O-2 8 oh 8 Kit
ローランドTR-808の音なんだろう、たぶん。西海岸風味ですな。
O-3 Timber Kit
鳴りが長いバスドラムと明るいスネア。ドラムキットを自分で組むのはけっこう大変で、こうしてセットで提供してもらえると、やっぱり楽である。
O-4 Big Bad Kit
音量を上げて聴くと、重さが感じられてけっこう素敵。
O-5 Glitch Kit
ハイハットがチクチクした音で、これがGlitchなんだろうか、と思う。
O-6 House Kit
スネアが金物っぽくて目立たないのが、こうした音色の定番なんだろうか。
O-7 R&B Kit
R&Bってのは、Rhythm & Blues、なんですかなぇ。音楽のジャンルは、私にはよくわからない。
O-8 Ethnic Percussion Kit
今思ったのだが、Fusionって、音色の名前をけっこう長くできるのね。
P-1 FM Mothership
FMによる宇宙母船の音。こんな音、するわけないじゃん、というのが実にいい。あー、昔はテレビの特撮番組、面白かったよなー。
P-2 Unterwasser
「under water」をドイツ語にしたんだろう。これもFM。なんていうか、シンセで効果音を作るという苦労は、このごろはあまりしないと思うので、これらの音を作った人に敬意を表したい。
P-3 Trancin'
トランスという音楽はよく知らない。アルペジエイターが設定されていたので、それを使っている。
P-4 Alien Insects
PCM音色。「Laughing」「Sitar」で作られている。いや、どうやってこんな風にしたんだろう?労作である。
P-5 Gamelan Dreamer
平均律になっていないんだけど、どうやってやっているんだろうか。
P-6 FM Universe
宇宙には空気がないから音はしないだろ!というツッコミは無用。あー懐かしい。
P-7 Pinwheels
ここまで一度も出てこなかった、ウインドモデリングの音。うーむ、使えるのか使えないのか。
P-8 Offworld
アナログモデリングで、ポリフォニックのポルタメントを効かせた音。ポリフォニックポルタメントができるのは評価したい。

サウンド:サンプリングCDなどからインポート

サウンドコメント
Stwy32MB

この音は、下のサンプリングCDに入っていたものだ。

32MBのピアノは最も小さいもので、その上に64MB、128MB、256MBのピアノがある。ただ、S5000/6000より前のAKAIサンプラーでは、1パーティションが最大32MBだったので、64MB以上のものはマルチで作らざるを得ない。それをFusionに移植するのは面倒な気がして、とりあえず32MBを移植した。そうしたら、それがなかなか具合がよい。S6000にある音を、もう少し移植してみるか、という気持ちになった。

BRIGHT STR1

これは、下のサンプリングCDに入っていた。

サンプルにはMKSという名前が入っていた、ローランドMKS-80で作ったストリングスではないかと思う。これがすごく好きで、今回も優先して移植した。

MELLOW STR1
これも、上のCD-ROMに入っていた音で、大好きである。シンセストリングスのシンプルな美しさだと思う。
Solina All Strings
これは、どこからか購入した、ソリーナストリングスアンサンブルのsf2ファイルが元である。今回は、そのsf2ファイルを移植した。Fusionはsf2ファイルをインポートできる。akpよりは、多くの人に使われているフォーマットかもしれない。このシリーズは音色数が11個あるのだが、Fusionの方で編集したのはこの「Solina All Strings」だけで、他はインポートしっぱなしになっている。
Sc55piano1
インターネットのどこかで拾ってきた、ローランドサウンドキャンバスSC-55のピアノ。私は1992年の年末にSC-33を買い、マルチでしっかり使える音源であることに感動した覚えがある。それまで持っていたコルグT2やヤマハTG-77とは大違いであった。何より、リバーブとコーラス(ディレイにもなる)がセンド/リターンで用意されているのが強力だった。でも、ピアノの音も良かった。ネットで落としてきたこのサンプルはループがひどく目立つものであるが、ディケイさせて切ってしまえば、使えないこともない。とても懐かしい音。
PolyMoog Str1
私の中には、ストリングスマシンへの憧れがあるのだろう。ヤマハのエレクトーンD30には黄色いトーンレバーがあり、そのストリングスもこんなような音がしていたが、「本格的なストリングスマシンはもっといいんだろうなあ」と思っていた。中古のSS30を持っていて、でも、MIDI以前のものなので、どうしても押し入れに行ってしまいがちなのだが、でもやっぱり、ストリングスマシンってのは、憧れのマシンである。このポリムーグの音は、インターネットのどこかでダウンロードしてきた、のではないかと思う。
PolyMoog Str2
先のPolyMoog Str1とセットで入っていた音。
Suitcase1

Alesis Fusionが標準装備するエレピの音は、今ひとつであると思う。そんなわけで、下のサンプリングCD「MAGNETICA」の音を、6個入れてみた。

モジュレーションホイールを上げるとコーラスにセンドするように作ったが、この録音では使っていない。この音(と以下の2つ)は4段階のベロシティレイヤーになっているが、この録音では弱くしっとり弾いているため、上の方はほとんど使っていない。

MarkI1
こちらはFender Rhodes Mark I。先のスーツケースと微妙に異なる。
MarkII1
こちらはFender Rhodes Mark II。ローズのバリエーションということだと、Nord Electro初代および2の、Mark IのStageとSuitcase、Mark II、Mark Vがすごく特徴を強調していて面白いと思うのだが、MAGNETICAの微妙な違いも、それなりに楽しい。
Wurlitzer1
ウーリッツアーは本物を弾いたことがなく、各種シンセの音を弾いてはいろいろと想像している。このプログラムは、ディケイを短くし過ぎたかも。元のサンプルはここまで減衰していない。
ClavinetD6 1
私にとって、クラビネットは弾き方がわからない音色である。でも、けっこういいサンプルのように思う。
JimmySlowS1Fast
MAGNETICAにはいくつかのハモンドが入っているが、S6000のHDDに入っていたのはこの一つだけだったので、とりあえずこれだけをFusionに移植した。スローのロータリーが含まれたサンプルのようだ。本当のハモンドのパーカッションは、音がない状態から弾いた時のみに発生するらしいが、このサンプルでそこまでは作り込めない。そんなわけで、今となってはすごく偽物くさく感じるが、私がその事実を知ったのはかなり後のことで、昔はどうやって弾いてもパーカッションが入るのをよしとしていた。D30も、そうだったような気がする。今でも、どうせ弾き分けられないのだから、全部にパーカッションをかますというのも、私の場合はありかと思う。録音の最後に音を伸ばしてロータリーがファーストになっているのは、S1ボタンを押して、Fusionのロータリーエフェクトをオンしたからである。

Mail to Webmaster
Webmaster information
©Hideo Harada 2010-2024 updated on 2024/02/05 10:28:49