モーグ(moog)の音を簡単に使える1台。2オシレータ(ノイズなし)、1フィルター、1アンプ、2エンベロープ、1LFOという構成は、複雑な音作りをするには十分とは言えないが、選択肢が少ないので悩まずに済む。LFOでかけるビブラートのなめらかさ、低域の豊かさは、弾いてみる価値あり。音をメモリーでき、それに名前を付けられるのもよい。つまみの周りにLEDが配され、つまみに触らずに大まかな値がわかるのもよい。フィルターにオーバーロードがあり、minimoogのアウトプットループみたいなことが簡単にできる。機能は少ないが、「どうしてこうしちゃったの?」と思わせるところがなく、さすがモーグ博士、と思う。鍵盤がないが、意外と広い範囲の音が出るので、61鍵などと組み合わせるのも楽しい。
サウンド コメント
P-00 SLIM NOT SLIM 太さをアピールしたい!という音。けっこう上の方のヌケがよくて、そっちが使えるんじゃないかと思ったのだけれど、カテゴリーが「Bright Bass」になっているようだったので、とりあえず低音で弾いてみた。サブウーハーがばりばり言い、AVアンプは苦しさで冷却ファンを回す。太く重く、まあ、期待される音というやつなんでしょう。演奏のテンポがちょろいのは、お許しください。
P-01 RIPSAW BASS これもベースだということなので。モジュレーションホイールを上げるとフィルターが上がるのかな?ということで、ホイールを上下させながら弾いてみた。
P-02 UNRULY LEAD やっとリードが来た。レガートのポルタメント付き。ホイールをあげると、ビブラートなんだろうか?というものがかかる。エフェクトをかけると楽しいかも。
P-03 LITTLE LEAD MP3を聴き返すとえらく音痴な演奏である…。音色自体はかわいくて、ちょっといじると使えそうな気がする。ピアノをイメージさせるものもある。かわいい音なんだけど存在感があるのは、アナログだからだろうか。
P-04 GRINDMYBASS モジュレーションホイールを強調して演奏してしまったが、それを上げなければ普通に使える。
P-05 DEEP AND DARK 重みがあって、弾いているとけっこう気持ちのいい音。後半はモジュレーションホイールを上げているが、あまり聴こえないかも。
P-06 ANALOG DRUM アナログシンセによる太鼓。ホイールを上げるとノイジーになる。後半は、1キーを叩きつつホイールを上下させてみた。
P-07 MINOR SLIDER ホイールを上げるとリズミックなモジュレーションがかかる。それに合わせて弾いてみた。リバーブやディレイをかけてみたいところ。音がもう少し細い方がいい気もするけど、フィルターでできるんだろうか?
P-08 SYNC SEQ ホイールを上げるとフィルターが上がるのかな。使い方が、わかるようでよくわからなかったりする。これも音痴な演奏ですみません。
P-09 BRITE LITE いい感じのリードなんだけど、下へ下がってくるとボトムがあって、moogっぽいかも。
P-10 SQUAREZ これも下がるとサブウーハーが唸りますな。LFOはスクエアになっている。
P-11 REZZY PAD 単音でPadと言われてもなー、と思いつつ、それは私の考えが浅いのかも、とも思う。
P-12 COLD LEAD LFOは下降型の鋸歯状波になっている。アタックがちょっと遅い感じがなかなかいい。
P-13 DARK SIDE 低音を響かせてみました。
P-14 ELECTRO SITAR けっこうシタールっぽいかも。
P-15 SLIPPERY FUNK なんか、冨田っぽいですね。矩形波のLFOがそう感じさせるのかな。モジュレーションは、私はまだまだ学ぶべきことが多いかも。
P-16 MELLO EDGE メローだけどエッジがある、という意味なんだろうか?
P-17 FATTUS BOTTOM ボトムと言われるとこう弾きたくなるじゃないですか。
P-18 CLICK BUG 今、Little Phatty Editorでカテゴリーを見たらベルになってた。気付かずにベース弾いてました。ボトムありますね、やっぱり。
P-19 EBBFLOW LEAD モジュレーションホイールを上げると風切り音というか息の音というか、が混ざってくるリード。音域はけっこう広く使えると思うけど、音量差があるのでペダル必須かなあ。
P-20 TRIANGLE SUB ちょっとした音でもボトムが出てくるのが、やっぱmoogなのかな。
P-21 PARALLEL MOOD 低い音と高い音がけっこう間隔が空いていて、それらがパラレルに聴こえる、という含意だろうと思う。オシレータ2にだけ、三角波のビブラートがかかるようになっている。この録音では使っていないが、直付けのエクスプレッションペダルはなめらかで、それを上下させながら弾くのも気持ちがよい。
P-22 BACKWARDSISH バックにいる女の人の声、なんだろうか。うまくリバーブやディレイをかければ、ちょっぴり冨田風にできるかも。
P-23 DIRTY CHEESE ちょっと歪が入ったリード。こういう歪を中で作り出せるのは、ちょっといいかも。モジュレーションホイールはWAVEにかかっている。レガートのポルタメントがかかっているが、それを活用できるほどには、私は演奏がうまくない。
P-24 BLIPZ SEQ シーケンスでポコポコ言わす音なんだろうか、とイメージして弾いてみたが、今ひとつ、私の理解が不足しているように思う。広い音域を記録するために、上から下へ下がってみた。
P-25 MUSH MUSH マッシュアップのマッシュなのか、それともマッシュルームか?などと考えながら弾いていた。これもモジュレーションホイールはWAVEにかかっている。エフェクトかければ、なんか、雰囲気出そう。
P-26 DISTURBER DO NOT DISTURB.を連想して、安眠を妨害しそうなぶよぶよした演奏にしてみた。音色作者の意図がどういうものなのかはなかなかわかりにくい。
P-27 SIMPLE DEEP これは、カテゴリーでいうとSoft Bassだそうだ。それなら低音を弾くので合ってるね。ありがちなベースだけど、いい味出てると思う。
P-28 PULSE BASS 1 モジュレーションをかけなければ普通の音だが、ついつい、モジュレーションをかけてしまった。
P-29 SPARKLE WAH ワヤワヤいうリード。エフェクトなしでもけっこう聴けるのは、大したことなのかもしれない。モジュレーションは普通に三角波がピッチにかかっていて、それがきれいにかかるのも素敵。
P-30 CUSHION BASS 録音してみたら音が小さかったので、プラグインのコンプレッサーをかけて増量している。ベロシティで音量が変化する。Phattyはベースマシンとしても優れているなあ、と思う。これがあれば、MINITAURは買わなくてもいいのではないかと思うけど、どうなんでしょうね。
P-31 ELECTROSAW 弾いている時はまだカテゴリーを見ていなくて、これはベースなのかリードなのかよくわからんな、と思って弾いていた。Little Phatty Editorで見ると、Bright Bassだそうな。モジュレーションは、方形波がWAVEにかかっている。パネルを見てすぐわかるのも、なかなか好感。
P-32 ARGURU Artificial Realityの導師なんだろうか。まさかね。Phattyは、けっこう広い音域が使えるので、PC361のような、61鍵タイプで弾く方が面白い。
P-33 DEADROBOT これのどこが死んだロボットなのかは謎。
P-34 TRON BASS モジュレーションホイールを上げると上向き鋸歯状波がフィルターにかかる。TRONというのは昔の映画から来ているんだろうか。すごく昔だぞ。1982年だもん。
P-35 GET PLUCKED LFOは方形波で、オシレータ2にかかっている。LFOのレートが高いので、ノイジーになっていく。ギターをイメージして弾いてみた。これも、音が小さいのが気になって、コンプレッサーでちょっと上げてある。
P-36 STAB ME 「俺を刺せ!」なんだろうか、「刺せるもんなら刺してみやがれ!」だったりして。音楽用語のStabというのはどういう意味なのかなあ。ビートの杭みたいなもんだろうか?
P-37 HOLD4FIZ 4秒鍵盤を押していてね、という意味だろうか。モジュレーションホイールを上げると、オシレータ2がフィルターにかかる。それがノイズを生む。
P-38 OPEN UP オシレータ1と2を離したリード。カテゴリーはRes Leadであるという。
P-39 SAY WHAA ウワワワーって言ってごらん、という音だろうか。モジュレーションは三角波をフィルターへ、という設定になっている。けっこう好き。
P-40 MOOG SOLO おお、プリセットの名前がすごい。こういうものを弾くのはためらわれる。へたっぴーであるからだ。モジュレーションはちょっとかかり過ぎ。自分で使うならちょっと減らすと思う。
P-41 DISTURBANCE 録音する時は瞬間芸で弾くので、Moog側が設定したカテゴリーは知らない。これはBright Leadであるらしいが、「リードだかベースだかわからんなー」と思って弾いていた。スローなアタックのスイープが、なんか、ブラスのスフォルツァンドのようにも感じられる。モジュレーションはフィルターにかかっていて、LFOのレートは速い値にしてあるようだ。
P-42 WAWAWEE これはSynthらしいが、私はベースだと思ったようで。いい感じのオーソドックスなベースだよね。
P-43 DARK BRIGHT リリースが長いのにビックリ。オシレータ1は2フィート、オシレータ2は16フィートと、かなり離してある。オシレータのオクターブを離すとどうしてもオルガンぽくなってしまうが、これはオルガンには聞こえない。うまいかも。
P-44 FOR HER LEAD モジュレーションは、フィルターエンベロープがフィルターにかかっている。それって、意味ないんじゃ?と一瞬思ったが、ホイールを使えるのがいいのか?うーん、わからん。レガートでポルタメントがかかり、エマーソンのフレーズが弾きたくなったりする。
P-45 HARUMPH フィルターへの三角波のモジュレーションが印象的で、それをうにうにっと弾いてみた。
P-46 HELON I MP3ファイルを流しながら同じフレーズを手弾きしたらけっこう強力だった。オーバーダブするといいのかなあ。でも、基本としては、MIDIデータで組んで、最後まで録音したくないんだよなぁ。
P-47 TRANSFORMER トランスフォーマーって、変形合体みたいのだよね。ロボットぽく弾いてみたが、これはSoundFXらしいので、弾き方が間違っているかも。
P-48 NICHE これもモジュレーションのソースがフィルターエンベロープで、デスティネーションがフィルターなんだけど、でも、ウニウニ言ってるよね。マニュアルを見たら、そのインジケーターは、「フィルター・エンベロープ/サンプル&ホールド」なのだそうだ。ええっ?
P-49 LANSING II モノシンを両手で弾いても面白いもんですな。
P-50 STAR WRECK 宇宙を飛ぶイメージで弾いてみました。wreckは「めちゃめちゃに壊れたもの」という意味だそうな。
P-51 KARATE 米国人の空手のイメージって、「カラテキッズ」なんだろうか。ロッキーそっくりだな、と思った覚えがある。ちなみに、私は小学校の時に空手道場に通っていたが、緑帯でやめてしまいました。
P-52 MARINE 泣く子も黙る海兵隊員を想像して弾いてみました。この音だけ、ちょっとコンプかけて音量上げてます。
P-53 MEANT4 DRONEY モジュレーションホイールを上げるとかかるのは、サンプル&ホールドなんでしょうねえ。
P-54 NINTENDO 友人の家でグラディウスをやらせてもらってすごく楽しかった覚えはあるのだけれど、当時の私は、ファミコンに回すお金はなかった。少しでもシンセ欲しかったし…。
P-55 SUPERPOWERS これは、超能力ってやつなんですかね。テレパシーとかサイコキネシスとか。
P-56 MARINE G II 泣く子も黙る海兵隊員その2、なんだろうか。よくわからない。
P-57 TEE PEE FUNK どうってことない音にも力がある、と感じさせる1音。
P-58 QUIET JACOB かわいい。今、この文を書いている時にふとKurzweil PC361を見ると、バックライト切れてる!ということで、動揺を隠せない。
P-59 MIKEY DANCE ミッキーかと思ったら、マイキーらしい。
P-60 PLAY IN E MOD E調で弾くべきだったんだろうか?
P-61 FILT REZ KICK KICKというから最初は下の方の鍵盤を叩いたら大した音がしない。C4(おそらく)とかを叩かなければいけなかったらしい。音程感もあるので、音程を付けて弾いてみた。キックとしても使えるかも。でも、スネアはどれで出すべきなんだろうか。Slim Phattyを複数そろえるか、うーむ。
P-62 GRITTY 9TH オシレータ1の9度上にオシレータ2があるのね。grittyは、「砂だらけの」「じゃりじゃりする」といった意味らしい。ベロシティの効きがけっこう素敵。ディストーションギターみたいで、こういう音好き。
P-63 DISSONANTTING 調和しない音、といった意図なんだろうか。モジュレーションホイールを上下させて弾くと気持ちいい。こういう音が気持ちいいと思うようになったのは、ここまでSlim Phattyを弾いてきたからだろうか。
P-64 Legato Sweep こういう音を弾くと、Moogの良さは、歪とボトムなのかなという気がする。三角波のモジュレーションがオシレータ2にかかっているようなんだけど、それだけで、モジュレーションホイールの変化がこんな風になるものなのかねぇ。研究が必要かも。
P-65 HARD TINELEAD 減衰音とリードの両狙い、なんだろうか。モジュレーションホイールを上げるとフィルターが開く、のかな?
P-66 DIRT BUBBLES 冨田的。泥の泡なんでしょうねぇ。
P-67 MASSIVEPWMMOD モジュレーションホイールがゼロだとPWM(Pulse Width Modulation)はかからない。ここでは、上一杯にして弾いている。上品なPWMだ。minimoogにPWMはなかったけど、うちのminimoogには5G-Modが入っていて、PWMができる(そのため出なくなった音もあるが)。こんな風に使えばいいのかなぁ。
P-68 CHEESE GRIT GRITって、ここではどういう意味なのか、まったくわからん。チーズカス? トリガリングによって音が変わるのに、弾いた時はそれをちゃんと意識してなかった。ま、下手っつーことさね。
P-69 BBQ SYNC バーベキューですか。バーベキューというと、私が連想するのは米国のとんでもなく甘いBBQソースなんだけど、それは関係ないか。
P-70 MOUTHFULL トーキングモジュレーターを連想したけど、どうなんでしょうね。
P-71 GHOSTS FADE ゴーストバスターズを思い出すぜ。
P-72 REZZY DUALSAW レゾナンスのかかった鋸歯状波のデュアル、なんでしょうね。こうして聴くと、やっぱり、独特の太さというものがあるような気がする。
P-73 TINY THING 演奏のテンポが乱れるのは、赦してくださいまし。
P-74 WAVE GLIDER グライドだというからグライドしてみました。エフェクトなしでこれを弾くのって、勇気いります。
P-75 STINGER LEAD とげのあるリード、ということでしょう。モジュレーションはフィルターにかかってるのね。パネルを見るとそれがわかる(ある程度は)というのは、Slim Phatty/Little Phattyの良さだ。
P-76 DIRTY BEATING 下向き鋸歯状波のモジュレーションがかかった音。大音響で聴くと気持ちいいかも。
P-77 GAME OVER 最初にYMOの某曲を弾いてしまったが、それをそのまま録音するのもどうかということで。
P-78 SLOW SUBSWEEP カテゴリーは「Evolution」だとのこと。ふむ。
P-79 MODVOX BASS モジュレーションホイールで人の声っぽくできるベース、と解釈した。
P-80 FILTER DROPS 雨だれを連想して弾いてみた。
P-81 SMOOTH N HIGH かわいいリード音。プチプチ言うのはフィルターにEGがかかっているから。それを弱めるとなくなる。モジュレーションは三角波がピッチに普通にかかっているだけだが、それがきれいなのはさすが。
P-82 PULSEREZSWEEP この音色のカテゴリーは「Res Bass」だそうな。リードと思って弾いてしまった。改めて弾いてみると、ベースとして魅力的かも。
P-83 SEKSU BONGO 今ひとつ弾き方がわからない音。でも存在をほどよく主張している。
P-84 SIR WAH WHA モジュレーションホイールを上げると、ピッチが最大で短7度まで上がる。それでウニウニ言わせてみた。
P-85 SHARP SEQUE モジュレーションホイールを上げるとフィルターにモジュレーションがかかってノイズになる。ホイールを上げ下げして弾いてみました。テンポがふらふらするのは下手だから。
P-86 PWM MOD BASTE CC65を送るとポルタメントがかかる。上の録音ではおそらく使っていない。
P-87 SAW U LEAD 珍しく普通な音。鋸歯状波(saw)といっても、Slim Phattyの波形選択は連続型で、ここでは鋸歯状波の目盛りより少し下の位置になっている。ベンド、ビブラート、ポルタメントが気持ちよくかかる。さすが。
P-88 SOURPUSS 異世界の音、ってところでしょうか。上向き鋸歯状波がフィルターにかかっている。それが楽しいが、モジュレーションをかけない音も、いいかも。
P-89 PULSE BASS 2 ベース弾くのにモジュレーションかけていいのか、というのは、うーむ、どうなんでしょうね。
P-90 MOD SHARD SEQ モジュレーションホイールを上げると最大で短3度上がる。調子を外して弾くのもいいのかもしれない。
P-91 SCALAR SYNC 低い音域に行くと豊かになるのがいいよね。これが持ち味ではないでしょうか。
P-92 BUBBLE BUTT これも「Res Bass」なんだそうな。リードだと思った…。ベースで弾いてみると、なめらかさがある。
P-93 AGGROSYNCBASS モジュレーションは、OSC2からOSC2、とインジケーターが点いているが、隠し機能かもしれんから、謎。ノイズが魅力ですね。
P-94 TOUCH GONG リリースが長いパーカッション。うっとりする。モジュレーションホイールを上げるとピッチがふらふらするのがまた楽しい。
P-95 SPACE LEAD 音の名前を見て、「キャプテンウルトラ」を連想した。と言っても、放映年を見ると記憶していそうな年齢じゃないんだけど、再放送だったんだろうか。
P-96 SNAPPY SAW ピョンピョン、なんだけど、モジュレーションをかけるとそれがそがれる気もしますな。ちょっとブラスっぽいのも、いい味です。
P-97 SIMPLE TRI SIMPLE SAWじゃなくて、TRI(三角波)なんですね。おそらく、テンプレートとして使うことを想定した音色でしょう。こういう普通な音が、けっこう弾くのに迷ったりして…。自信ないし…。
P-98 SIMPLE SQUARE スクエアとパルスって違うんだっけ? 50%がスクエアで、他を含むのがパルスだっけ? と考えてしまう。パネルに描かれた2つのパルスは、振幅が違うように見えるし…。
P-99 SIMPLE PULSE 波形はつまみを右に回し切った状態で、これは、パルス幅が小さい(不均等な)波形、私が呼ぶところのオーボエ音に聞こえますな。
CA CALIBRATION 100個のプリセットとは別に設けられたキャリブレーション音色。OSC1だけを発音し、モジュレーションが無効になっている。これを音作りのスタートポイントとしてもいい気がする。これも保存できるようだし。
サウンド コメント
P-00 Saw1 鋸歯状波を普通に出したもの。SPX2000のMONO DELAYをかけている(P-10まで同様)。ただ、ディレイのリターン量は音によって変えていることがある。ベースは戻してない。モノにしているのは、MP3ファイルにした時に容量を抑えられるかと思って。
P-01 Pulse1 1pole こちらはパルス。Slim Phattyはフィルターのポール数を1、2、3、4と変えられる。ここでは1ポールにして、Moogらしさを消してみた。昔、ヤマハの人がインタビューを受けて、「Moogは4ポールですけどヤマハは2ポールですよね」と問われ「それぞれに良さがありますから」と答えていた。うん、まあそうかな、と、今となっては思える。当時は、ポール数を切り替えられるシンセなんて、なかったよなー。
P-02 Sample&Hold1 サンプル&ホールドでピッチを変調したもの。録音時は、フィルターを開けたり閉めたりして、その後にLFOのレイトを上げてみた。モジュレーションホイールを上げないと変調はかからない。
P-03 Noise1 オシレータ1を2フィートにして、そこにノイズでモジュレーションをかけてノイズにし、フィルターを開け閉めしたもの。時々雑音が混じることがあるが、この録音ではまあまあきれいなノイズになっている。
P-04 FilterOsc1 レゾナンスを一杯に上げて発振させて作ったリード。EGでベンドをかけることができ、LFOでビブラートもかけられる。ただ、ピッチベンドはできない。キーフォローの量は、フルで音階になるとは言えないようで、広い音域でピッチを正確にはめることはできないようだ。
P-05 Fanfare1 鋸歯状波にエンベロープで振ったフィルターをかけた、ブラスの基本形。演奏はなんか、コミカルになってしまった。
P-06 Strings1 オシレータ2にビブラートをかけている。Slim Phattyの場合、いくつか音を揺らす方法があるが、ここまで使ったのは普通のピッチモジュレーション。ここでは2だけにモジュレーションをかけてみた。高域でもエイリアシングノイズが出ないのが、アナログっぽくて嬉しい。
P-07 OverloadBass1 芸のないベース。ちょっとオーバーロードをかけている。モジュレーションはフィルターにかけた。
P-08 SyncMod1 「1-2 SYNC」をオンにしてみた。オシレータ2のピッチがオシレータ1で決まる、ということのようだ。その状態でオシレータ2にモジュレーションをかけてみた。これまでとは違ったモジュレーションになり、面白い。ピッチも揺れている気もするなあ。
P-09 WaveModVoice1 一般にPWM(Pulse Width Modulation)と呼ばれるもの。ただ、Phattyの場合、鋸歯状波でもかけられるので、パルス限定ということではない。これはこれで、いいかも。
P-10 FilterOsc&Nz オシレータ発振の音は「P-04 FilterOsc1」で作ったが、今度はオシレータのWAVEをノイズで変調してノイズを混ぜてみた。ノイズで変調するところは必ずしもここでなくてもよくて、ピッチやフィルターにかけると、それはそれでまた別の味になる。フィルター発振のピッチがオシレータに引きずられるため、この音ではピッチベンドがかけられる。面白い。
P-11 Flute1 作っている時は西洋の銀のフルートを連想していたのだが、録音して聴いてみると木みたいである。弾いたフレーズが悪かったか。三角波のモジュレーションはWAVEにかけてみている。オシレータ波形は三角波、フィルターは2ポールにしてみた。Slim Phattyのフィルターが1~4ポールまで切り替えられることは前に述べた。ポール数を変えると雰囲気が変わるが、そのたびにフィルターとレゾナンスの調整をせねばならず、けっこう手間がかかる。Slim Phattyのオシレータ波形は連続可変だが、これも、探すのにけっこう手間がかかる。これ以降、P-20までは、Lexicon PCM90のリバーブをかけている。
P-12 Clarinet1 パルスでクラリネットを作るというのは昔から好きだ。パルスのリードと何が違うかというとほとんど違わないのだが、ちょっとフィルターを揺らして雑音を作る、といったところだろうか。NHKの朝の連続テレビ小説のテーマソングでクラリネットのメロディが印象的だったものを今でも覚えている。曲名やドラマの名前は忘れたが。
P-13 Oboe1 フルート、クラと来たら次はオーボエでしょう。幅の狭いパルスを使えばいいのだが、でもやっぱり、けっこう探さないといけなくて楽ではない。「ドレミーレドードレミレドレー」と吹くと雰囲気が出るが、ここではそれはしなかった。
P-14 DelayDetune エンベロープをオシレータ2にかけ、徐々にピッチがずれてコーラスがかかり、徐々にそれが落ち着く、という音色。ディレイビブラートの代用としていいかもしれない。GATEモードは「RESET」にしている。そうしないと、揺れない状態に戻らないからである。
P-15 Spacegun 最初は太鼓を作ろうと思ったのだが、いつの間にか宇宙光線になってしまった。昔のゲームを思い起こさせるものがあって、なかなか楽しい。三角波のモジュレーションはフィルターにかけている。
P-16 SyncByEG オシレータシンクをオンにして、エンベロープジェネレータでオシレータ2を変調したもの。シンク!って音。ホイールを上げないとエンベロープがかからないが、それはそれで面白い音がする。
P-17 Sax1 サックスの音というのはシンセには作りにくい。それでも作ってみようとしたのがこれ。ちょっとオーバーロードさせただけでうなり感が出るのが嬉しい。ここではオシレータシンクも使ってみた。弾いている曲は大学時代に組んでいた坂江務の作曲である「Eccentric Zone」のメロ1。
P-18 DualLead1 オシレータをオクターブで重ね、上のオシレータ2にビブラートをかけられるようにしたリード。曲は「Eccentric Zone」のメロ2。
P-19 UnisonBass1 高校時代にCS-40Mで作っていた音。オシレータをユニゾンしておとなしいベースにしただけのもの。8:30のBirdlandとBlack Marketは、こんな感じの音で弾いていたように思う。ソフトな音を大音響で出すのが、好きだったんです。すごいぜZawinul。
P-20 MOOG STAGE II これはおまけ、私が作った音色ではありません。Little Phatty Editorでイニシャライズするとこの音色が入る。で、これが、いいですわ。Moogらしい。この音色弾けるだけで、買ってもいいかも。
Slim Phattyは本体のみではアフタータッチでビブラートをかけられないが、Kenton Pro Solo MkIIのAUX出力をSlimPhattyのPITCH CV入力につなぐと、Pro SoloのLFOでビブラートがかけられ、その量をアフタータッチで制御できることがわかった。KentonのCV/Gate出力は使わない。通常のMIDIメッセージは直接Slim Phattyに送る方がよいからだ。こうすると、SlimPhattyのLFOを、ビブラートではないことに使える。実質、2LFOである。Pro Soloの初代でもできなくはないが、ビブラートのかかり具合を制限するパラメータがないので、実際には難しい。