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Roland JP-8000

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「JP-8000」はローランドが1996年に発売したデジタル・ポリフォニック・シンセサイザーだ。1995年にスウェーデンのクラビアが「バーチャル・アナログ・シンセサイザー Nord Lead」を発売し、ローランドがそれに対抗したのがJP-8000と言える。

2021年の現在、JP-8000は中古でしか手に入らない。JP-8000の中古品は、ライン出力から音が出ない、などの問題を抱えているものが少なくないようだ。ある人のコメントによれば、JP-8000のメイン基板上にある電解コンデンサーが経年で液漏れを起こし、その液が基板を腐食させ、音が出なくなるらしい。ヘッドホン出力から音が出ればまだよいが、それも出なくなるかもしれない。モジュール型のJP-8080も同様の問題を抱えているという。私が購入したのはメイン基板上の電解コンデンサーを交換した、というものだが、それはそれで、元の音と違ってしまっているのかもしれない。何にせよ、順調に動くJP-8000は、希少なものとなりつつあるようだ。

JP-8000の特徴と言われるのは、鋸歯状波を複数重ねた「SUPER SAW」である。私は、JP-8000の魅力はそれにとどまらないと思う。音が重く厚くベースの音色が魅力的、弾きやすい鍵盤(アフタータッチはないけれども)、しっかりとモジュレーションをかけられる逆Tのベンダー、モジュレーション専用のセカンドLFO(LFO 2)なども魅力的だ。JP-8000以降に出たローランドのバーチャルアナログのうち、SH-32、SH-201、SH-01 GAIAは音色名を表示する機能がないが、JP-8000にはそれがあり、他の人が作った音色をシステム・エクスクルーシブで送って演奏する時に役立つ。

入手して使い始めてしばらくは、出力に混じるノイズが気になった。JP-8000の電源端子は3極なので、そのまま3極の電源ケーブルを使っていたが、2極にしてアースを浮かせたら若干改善した。3極がいいか、2極がいいか、2極を逆にするとどうなるかなど、試してみるとよいかもしれない。

参考リンク

サウンド

サウンドコメント
P:A76 Sine Lead

プリセットパッチを順にオーディションしていって、録音してもいいか、と思う音色はたくさんあったのだが、この「A76 Sine Lead」は是非録音したいと思った。好みの音なのだ。オシレーター1の三角波で作った正弦波っぽいリードである。ディレイがいいんだろうなぁ。

ソング

ソングコメント
機械であたためられた部屋

JP-8000のプリセットパフォーマンス「P:36 Spacescapes」の独奏。ただ、音色そのままではない。ロワーがふんわりとしたパッドで、アッパーがランダム4オクターブのアルペジオである。アルペジオの方はオクターブを変更している。アルペジエーターのホールドもオフにした。シーケンサーに録音して、アルペジエーターが発するノートがすべて記録されているのに驚いた。これではクォンタイズはかけられない。その理由でクォンタイズなしの手弾き無修正である。ただ、シーケンサーが発するメトロノーム音に合わせて弾いているので、テンポがひどく揺れていることはないと思う。レコーダーを回してシーケンスを再生し、アルペジオのレベルを手で調整して録音した。

JP-8000 Arrived

JP-8000用の音色ファイル「TECHNO1.MID」のパッチ「U:A14: Deep Thought」を弾いた。音色はそのままではなく、カットオフは変化をシーケンサーに録音して再生しているし、レコーダーを回した状態でディレイのレベルも上げ下げした。ドラムスはローランドSH-32の「r1U」だが、何もエディットしていないので「r3P」と同じはずである。

二人組

JP-8000のプリセット・パフォーマンス「P12 Fizzoid Bass」を弾き、Apple LogicのDrummerを加えた。Drummerでエンディングを作るのに、これまでは同じドラムキットを用意してエンディングを自分で打っていたのだが、もっと簡便な方法があるはずだと思ってインターネット検索をしてYouTube動画を見た。なんと、伸ばすだけでよいらしい。すごいなぁ。

新しい風景を見付けよう

JP-8000のプリセット・パフォーマンス「P:15 Trancer」で思いついたメロディを弾いてみて、細かい部分が出ないので、ヤマハMOTIF-RACK XSの1番ピアノ「Full Concert Grand」を重ねた。右手で上の譜面のメロディを弾き、左手は1音か2音程度の白玉だけである。ドラムを付け加えようかと思ったが、せっかく独奏で作ったので、そのままにした。ちゃんと準備すれば、ライブで一人で弾ける曲かもしれない。

生の終わりに向かって

上の曲と同様に「P15: Trancer」の独奏。Cakewalkからクロックを送り、メトロノームに合わせて弾き、8分でクォンタイズをかけた。最初から最後まで一気に弾いた。というか、手から出てきた演奏でよしとした。ただ、終わりの部分はピアノロール画面で音を長くした。高音を短め、低音を長め。この音色はピークがあまりないのか、普通に音量上げをしただけで大きくなり、他の曲に比べて大き過ぎるかもしれない。

エアコン付けて

最初にローランドTR-8のバスドラムを4分音符で鳴らし(フィルインで一つ8分)、続いてクローズドハイハットを「・チチ」と鳴らし、その後スネアを2拍4拍で鳴らした。その3つは別のトラックにした。TR-8のリバーブは全拍でオンにしたが、それでも、スネアは少し後ろにずらす必要があった。音量上げをする際にものすごく潰しているが、これはこれで悪くない気もする。

それに合わせてJP-8000の「P2: Fizzoid Bass」を弾いた。「ドドドシbドファソ」みたいのがテーマだけれど、基本即興なので、自分でもCakewalkの譜面ビューを見て何を弾いたのか確認しないとわからなかった。テーマとテーマの間には別のフレーズを適当に弾いている。

尺を決めてその後にエンディングをくっつけ、それに合わせてTR-8のノートを入力した。そこにはタムとオープンハイハットも使った。その後、クラッシュシンバルとライドシンバルのトラックを作り、適当に入力した。

レコーダーMR-2000Sを録音状態にしてCakewalkのMIDIデータを再生し、出たとこ勝負でTR-8のスキャッターを操作してフィルインを入れた。フィルインの音量が他に比べて少し大きい気がしたが、後につぶしたらそんな細かい音量差は聞き取れなくなった。

MR-2000Sで録音したWAVファイルをパソコンに取り込んでから苦労した。これまで作ったファイルに比べて音量が小さく、レベル上げが難しかった。音量が小さい理由は、デジタル接続したTR-8のピークが素直に録音されていること、バスドラムとシンセベースの低音が気持ちよく、ミックス時にそれをカットしなかったこと、であろうと思う。

何度も音量上げをしたので、音はMR-2000Sに録音した時とは似ても似つかぬものになってしまった。それでも何とか耐えられる汚さに収まっているのは、TR-8の元の音がきれいだからであろう。

JP-8000のノイズはとても気になったが、電源コードを3極から2極にしたら若干の改善が見られた。高域のチリチリする楽音のようなノイズが、ホワイトノイズっぽいものに変わった。

ダンスフロアであれば、この曲を10分やってもいいかもしれない。TR-8担当者とシンセベース担当者の2人で演奏できるかも。「こんなんで踊れるか」と酒ビンが飛んでくるかもしれないけれど。

I Don't Say

JP-8000のプリセットパッチ「P:A14 Juno Sub Bass」をアルペジエーターで弾いた。アルペジエーターが発したノート情報をCakewalkにMIDI録音し、クォンタイズをかけた。最後の伸ばし音はピアノロールで書いた。トラック2にカットオフとモジュレーションのコントロール情報を書き込み、トラック3にはローランドTR-8のバスドラとスネア、トラック4にハイハットとタムを入力。マスターレコーダーMR-2000Sを回して、TR-8のスキャッターを操作しながら録音した。


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